能登半島地震の発生から1年のきょう、石川県が主催した地震と豪雨災害の犠牲者の追悼式が行われ、遺族のほか、石破総理大臣や馳知事が出席した。石破総理大臣は防災庁の設置による国全体の体制強化や被災地での福祉支援の強化などのために必要な法改正、それに避難所の生活環境の改善に向けた取り組みを進めていく考えを重ねて示した。追悼式に参列した穴水町の小林由紀子さんは地震で父親を亡くした。穴水町で130年以上続く衣料品店を営んでいた洋一さんは地震による自宅の倒壊で亡くなり店も全壊した。1度は廃業も考えたが、多くの客からの励ましを受け、父が大切にしてきた店を残して安心させてあげたいと思い、夫とともに再開を決めた。10月から本格的に営業を再開した仮設の店舗には父のなじみの客が今も訪れているという。きょう小林さんは遺族を代表し「半歩ずつではあるが、夫とこの店を守り抜き、地域の皆さんとともに歩んでいくことが、亡くなった父への感謝であり地域の皆さんへの恩返しと考えている」と述べた。追悼式では地震が発生した午後4時10分に合わせて黙とうがささげられた。被災地では鎮魂の祈りが続いている。