日本唯一の金鉱山は、鹿児島県伊佐市にある菱刈鉱山だ。39年前から、金の採掘が始まり、坑道は、総延長約120キロにおよぶ。一般公開されていない坑道内への立ち入りが許可され、坑道に入って15分で、作業現場に到着した。100万年前にできた金鉱脈に、ドリルで47~48個の穴を開け、そこに爆薬を装填して、発破する。砕かれた鉱石を重機に乗せ、坑道の外に運び出す。世界の主要な金鉱山では、鉱石1トンあたり平均約5グラムの金が含まれているが、菱刈鉱山では、20グラムの金が含まれ、世界トップクラスの高品位を誇る。39年間で、約265トンの金を産出している。坑道の最深部には、金鉱脈からお湯を抜く設備がある。金を採掘するときの妨げとなる温泉を毎分9000リットル抜いている。温泉の一部は、湯之尾温泉街に供給されている。金相場の高騰で、菱刈鉱山では、金の産出量を大きく減らしている。採掘する金量を増やすと、鉱山寿命が短くなるためだと言い、操業100年を目指し、地元に貢献しながら、操業続けていきたいとしている。