悪質運転の事故を防ぐため危険運転致死傷罪の見直しについての議論が始まる。現在の危険運転致死傷罪を巡っては、飲酒運転や法定速度をはるかに上回る事故でも適用できないケースがある。交通事故の遺族らからは要件があいまいと指摘する声が出ていて、法務省の有識者検討会が去年11月、アルコール濃度と速度について数値基準を求めるよう提言する報告書を取りまとめた。鈴木法務大臣は今日の会見で「危険悪質な運転行為による死傷事犯への対応は喫緊の課題」と述べ、来月10日の法制審議会の総会で危険運転致死傷罪の要件見直しについて諮問することを明らかにした。法改正に向けた議論では具体的な数値基準をどう設けるかなどが焦点となるとみられている。