住宅価格の上昇を背景に、返済期間を長く設定する動きが見られている。住宅金融支援機構が、住宅ローンを借り入れた人にローンの返済期間を聞いたところ、去年10月の調査では30年〜35年以内が最も多く、約半分を占めている。注目は35年以上で、全体の2割を超え20.9%となっている(前年比8.3ポイント増)。中には50年ローンというのも出てきている。長期化の背景:毎月の返済額を減らしたい、企業の定年延長で働く年数が増えた。ニッセイ基礎研究所・福本勇樹金融調査室長によると、超長期の住宅ローンは数年前から地方銀行の間で広がってきたという。そこへ最近では、ネット銀行も取り入れているとしている。人口が減少する地方では、特に若い顧客と長い関係を築きたいというのがある。福本氏は、いかに金利を下げて返済期間を長くするかという2つの側面で競争が起きている。その上で、注意点もあると指摘。「長い住宅ローンを借りると、金利上昇に対して利息が将来増えるかもしれないという問題がある。ひと月に1万円、2万円でも将来の繰り上げ返済用資金として準備しておく」と述べた。