自動運転を行う大型トラック開発の現場を取材。物流大手の「佐川急便」と「セイノーホールディングス」、それに自動運転システムを開発しているベンチャー企業「T2」の3社は、自動運転を行う大型トラックの2027年の実用化を目指している。物流を担うトラックは荷物の重さや積み方によって車体の重心が変わるため、自動運転でハンドルの制御を行う際も重さの違いなどを考慮する必要がある。例えば荷物を積んでいない状態では問題なくコースを走行していた自動運転のトラックに、重さ5トンの荷物を積んでテスト走行してみると、蛇行してしまった。そこで重量の変化に合わせてハンドルを制御するプログラムを調整し、蛇行しないようにした。開発した企業が先月行った実証実験では、重さ3トンのコンクリートのブロックを荷台のやや前方に積んで走行し、蛇行することなく走行できているかなどを検証し、今後も積み荷の重量を増やすなどして最適な制御ができる自動運転のソフトウエアを開発するという。人手不足対策が喫緊の課題となる中、安全に自動運転を行う大型トラックの開発が加速しそう。