今年の元日に能登半島を襲った地震からまもなく1年。奥能登への大動脈である「のと里山海道」は9月に全線で対面通行が可能になったが、その景色は震災前とは大きく変わっている。石川・輪島市に入ると目に飛び込むのは傾いた街並み。元日の夜に炎に包まれた輪島朝市。能登半島の被災地で見えてきたのは復旧のまだらな現状。地震に加えて津波被害が甚大だった珠洲市。2月の取材時に宝立町で出会った干場美智子さん。海沿いの自宅は地震と津波にやられ、何も手を着けられない状態だった。あれから10か月半、再び干場さんを訪ねた。9月に奥能登を襲った記録的な豪雨。宝立町でも浸水などの被害が出た。干場さんは40年以上続けてきたところてん工場の廃業を決意。現在は夫と仮設住宅にいる。