能登半島地震で被災した輪島市にある輪島塗の工房で、漆器に使う漆を精製するため、樹液を天日にさらす「天日黒目」と呼ばれる伝統的な作業が行われた。輪島市横地町にある工房は地震で全壊する被害を受けたが、建物の下にあった道具が無事に見つかったということで、きょう「天日黒目」が行われた。6人の職人たちは地震の犠牲者に黙とうをささげたあと、質がよい漆ができるようにかしわ手を打って願い作業に取り掛かった。「天日黒目」は漆の樹液の生漆を夏の強い日ざしに当てながら漆器に使う漆を精製する作業で、職人たちは交代しながら桶に注いだ生漆を木の棒を使ってかき混ぜていった。そしてクリーム色の生漆が焦げ茶色になるまで2時間ほど作業を続け、樹液の水分を飛ばしていった。この工房では仮設の作業場で製造を再開していて精製した漆は半年間寝かせてから輪島塗の上塗りに使用するという。