縁側を北に向かうと利用者たちでいつも賑わうスペースが。一般的なデイサービスではリハビリなど、決まった日課にお年寄りが参加する。しかしここでの過ごし方は本人任せ。さらに、利用者のもとにやってきたのはスタッフの子供。窓の落書きを楽しむのは近所の子供たち。52間の縁側にはスタッフの家族から地域の人達まで、自由に出入りが可能。運営するのは石井英寿さん。今までの介護に疑問を抱いて20年ほど前から一人一人によりそった介護を実践してきた。プライバシーや安全性を重視するのは大切なことで、山崎さんはあえて門戸を開放設計にした。至るところにある段差や柱は山崎さんの考えた優しさの形だった。