国際部の石井デスクと伝えていく。バイデン大統領は選挙戦をこれまで継続する意向を強調していた中での今回の撤退ということになった。この理由についてはどう見ているか。先月のテレビ討論会、これをきっかけに噴出した撤退論を抑えきれずに追い込まれたという形だと思う。民主党内、それから大口の献金者や支援者、マスメディア、世論といういくつか要素があったが、党内からの異論については表向きは指導部が封じ込めてきたが、自身の選挙への影響も懸念して同調する議員が広がっていった。また盟友ともいえるペロシ元下院議長、あるいはオバマ元大統領といった重鎮あるいは有力議員からも再考を促す考え、意見が伝えられたということも影響したと見られる。また選挙を資金面で支えてきた大口献金者や有力支援者が支援を打ち切る、やめるという動きも出てきた。そして世論でいえば、民主党支持者だけに限っても世論調査の中には6割以上、3分の2ほどの人たちがバイデン氏は撤退したほうがいいのではないかという回答をしたというものもあり、これも無視できない状況になってきた。民主党の候補者を正式に決める党の全国党大会は来月の19日からの予定。党大会まで1か月を切る中で残された時間も見ながらぎりぎりの決断をしたということだと思う。このあとだが、後任の候補者はどのように決めていくのだろうか。候補者選びは党大会での代議員の投票、これに委ねられる形になる。代議員は各州、あるいは自治領から選ばれたいわば代表。予備選挙や党員集会の結果に基づいて投票することになっているので、今回は全体の90%以上がバイデン氏に予備選挙の結果などを踏まえて投票することになっていたが、バイデン氏が撤退を表明したということで代議員は誰に投票するか自分で判断ができるということになる。当然、バイデン氏は自分の後任にハリス氏を強く推薦するという意向を表明したので、この意向というのは代議員の投票にも影響してくると考えられる。
ただ、バイデン氏の意向は尊重はされると思うが、まだ分からない部分がある。ハリス氏は黒人でアジア系で女性と言ってみればバイデン政権が重視してきた多様性、まさにこれを象徴する人物で副大統領として全米での知名度も高い。ただ前回の2020年の大統領選挙のときにバイデン氏は当時も高齢不安というのは一部でいわれていたが、そのとき自身について次の世代のリーダーへの自分は橋渡し役なんだということを言っており、そういった認識を示してそのバトンを渡す最有力候補は当然副大統領候補に選んだハリス氏だとも見られていた。ただこのハリス氏に対しては副大統領として目立った実績がないといった厳しい指摘があるのも事実。今回、バイデン氏が高齢、あるいは健康への不安がいわれている中であっても2期目をそもそも目指した背景にはハリス氏に当初託しきれなかったという面もある。こうした面がどう影響するか、見ていく必要があると思う。この段階でのバイデン大統領の撤退というのはトランプ氏にとっては有利、不利、どうなのだろうか。現時点についていえば、有利に働く面が大きいと言っていい。そもそもバイデン氏の年齢、あるいは健康といった問題を攻撃の材料として積極的に取り上げてきたのは誰よりもほかでもないトランプ氏。この作戦、いってみればこの戦略がはまった形で今の状況というのは思惑どおりの結果だと思う。トランプ氏は先日の集会でも民主的な候補者選びを通じて選ばれたバイデン氏、これが撤退に民主党の中で追い込まれるというのはまさに民主党こそ民主的ではないのではないかと批判を展開しているので、今後はこうした批判をさらに強めていくと見られている。米国大統領選挙は先日の党大会、共和党の大会でトランプ氏の下での結束を演出したその共和党の側と言ってみれば候補者選びが事実上振り出しに戻ってしまった民主党側という対照的な状況になっている。来月の民主党大会が迫ってくる中で民主党がこのバイデン氏に代わる候補者というのを混乱がなく、円滑に選ぶことができるのかというのが当面の焦点になると思う。
ただ、バイデン氏の意向は尊重はされると思うが、まだ分からない部分がある。ハリス氏は黒人でアジア系で女性と言ってみればバイデン政権が重視してきた多様性、まさにこれを象徴する人物で副大統領として全米での知名度も高い。ただ前回の2020年の大統領選挙のときにバイデン氏は当時も高齢不安というのは一部でいわれていたが、そのとき自身について次の世代のリーダーへの自分は橋渡し役なんだということを言っており、そういった認識を示してそのバトンを渡す最有力候補は当然副大統領候補に選んだハリス氏だとも見られていた。ただこのハリス氏に対しては副大統領として目立った実績がないといった厳しい指摘があるのも事実。今回、バイデン氏が高齢、あるいは健康への不安がいわれている中であっても2期目をそもそも目指した背景にはハリス氏に当初託しきれなかったという面もある。こうした面がどう影響するか、見ていく必要があると思う。この段階でのバイデン大統領の撤退というのはトランプ氏にとっては有利、不利、どうなのだろうか。現時点についていえば、有利に働く面が大きいと言っていい。そもそもバイデン氏の年齢、あるいは健康といった問題を攻撃の材料として積極的に取り上げてきたのは誰よりもほかでもないトランプ氏。この作戦、いってみればこの戦略がはまった形で今の状況というのは思惑どおりの結果だと思う。トランプ氏は先日の集会でも民主的な候補者選びを通じて選ばれたバイデン氏、これが撤退に民主党の中で追い込まれるというのはまさに民主党こそ民主的ではないのではないかと批判を展開しているので、今後はこうした批判をさらに強めていくと見られている。米国大統領選挙は先日の党大会、共和党の大会でトランプ氏の下での結束を演出したその共和党の側と言ってみれば候補者選びが事実上振り出しに戻ってしまった民主党側という対照的な状況になっている。来月の民主党大会が迫ってくる中で民主党がこのバイデン氏に代わる候補者というのを混乱がなく、円滑に選ぶことができるのかというのが当面の焦点になると思う。