首都直下地震は30年に70%の確率で起こると予測され、国の想定では最大震度は7。東京23区の大半を震度6強の激しい揺れが襲う。国の被害想定では軟弱地盤に建つビルの杭基礎への影響は考慮されていない。専門家とともに東京の軟弱地盤に建つビルを想定し震度6強のビルで検証すると、杭基礎が耐震設計されていない7階建ての古いビルでは建物が支えられなくなる可能性が示された。2001年以降に建てられた現行の基準の杭基礎では、杭基礎の一部で損傷するリスクがあることが示された。東京都ではオフィスビルなどを帰宅困難者の受け入れ先として想定しマンションを在宅避難の場所として推奨しているが、最悪の場合その備えが成り立たない可能性がある。