内閣府の調査によると、20代〜50代の現役世代で孤独感が高いことが明らかになった。こうした中、安否確認サービスが現役世代に広がっている。60最前後の人たちに向けて開発されたが、いま20代、30代の利用者が増えているという。サービスを運営するNPO法人「エンリッチ」代表・紺野功は10年前、一人暮らしだった弟が自宅で亡くなっていたことをきっかけに始めたという。国の助成金や寄付金などを受けて運営している。自動で数日ごとに安否確認が送られ、24時間経っても利用者から反応がなければ再びメッセージを通知、さらに3時間たっても反応がないと利用者や緊急連絡先に伝えられる。20代、30代の登録者が5年で10倍に増え、現在約1000人が利用している。紺野は「薄いつながりだが接点を持ってあげる。それが今の時代にとって居心地がよく役立つのかなと思う」と話す。利用者からは「つらい状況になっても人に迷惑をかけたくない」という声が多く寄せられている。早稲田大学文化抗争学部・石田光規教授は「親しい人とはプラスプラスの関係でなければいけないという感覚が非常に強い。そこにマイナスのものを持ってきてしまうのは悪いことと言う感覚がある。通常の人間関係の中には入ってこない人の方が頼みやすい」という。