低金利の円を借りて高金利のドルなどで運用する円キャリートレード。これまで円安を加速させる要因の1つと言われてきた。分析するうえで参考にされる円通貨先物の売り越し幅を見ると、この数週間で大きく減っていることがわかった。為替相場が1ドル=160円台から140円台まで円高に動く過程で、円キャリートレードの解消が急激に進んだとみられる。背景にあるのは、日銀の追加利上げへの警戒感。専門家は、内田副総裁が「金融市場が不安定な時に利上げすることはない」と発言したが、裏を返せば落ち着いてきたらまた利上げするとも受け取れるので、ヘッジファンドは簡単に円キャリートレードを膨らませにくくなったという。為替相場も160円台まですぐに戻るという心配はいらないという。