大阪府堺市在住の山本喜美子さん（82）は先月6日、沖縄・糸満にやってきた。沖縄戦などで命を失った戦没者の名前が刻まれた「平和の礎」には喜美子さんの父親・山本政夫さんの名前が刻まれている。父が戦争に向かった当時、喜美子さんは2歳。太平洋戦争末期の沖縄戦は住民を巻き込んだ激しいものとなり犠牲者は20万人を超した。父が沖縄で死んだ後、喜美子さんを1人で育て上げた母は6年前に亡くなった。去年、喜美子さんが母の仏壇を整理していると父親が亡くなったとみられる場所が記されたノートを発見。当時激戦区となっていた那覇市の前島を訪問した。それをきっかけに父との思い出を探すようになった喜美子さん。母親の遺品から当時の写真を見つけたという。喜美子さんは「子どもや孫の時代まで今の平和な時代が続いてほしい」と願いを語った。