能登半島地震では生活に欠かせない上下水道が多大な被害を受け、地震発生から2か月以上経過した今も1万6,000戸以上で断水が続いている。そんな過酷な状況下で活用されているのがポータブル水再生システム「WOTA BOX(ウォータ ボックス)」。開発したのは都内のベンチャ企業「WOTA」。3年前に前田CEOに話を聞いていた。シャワー後の排水は装置内で濾過・消毒が行われ、きれいになった水は貯水槽に送られる。そしてシャワーとして再利用できる仕組み。下水処理を行う水再生センターのような働きが持ち運びできるサイズとあって、今回は被災地での利用に活かされている。きっかけは2011年、前田さんが地元・徳島から東大の合格発表を見るために上京したときだった。「WOTA BOX」が被災地で利用され始めたのは、東日本大震災から7年後。そして元日に起きた能登半島地震では3日後から断水エリアで使用を開始。水不足が深刻な被災地にこれまでに約100台を提供している。前田さんは今後、水インフラの長期的な復興についても役に立ちたいと言い、最終的には災害時に誰も水に困らない風景を目指しているという。