中国では10年前、人権擁護などに取り組む弁護士らが一斉に摘発された。取り調べを受けた人も含めると300人以上にのぼる。一部の弁護士は「国家の転覆をはかった」として有罪判決を受け国際的にも懸念の声があがった。刑期を終え出所した人は今も厳しい監視下に置かれている。
北京に住む人権派元弁護士の王全璋さんを取材した。「きょうはかなりしつこく尾行された」と語った王さん。自宅前には常に不審人物がいて、外出時も尾行されるという。王さんは「警察の指示を受け会社が雇った者たち。圧力を加えられるのは当局にとって”不安定要素”とみなされているから」と話した。人権派の弁護士だった王さんは当時”法律で弱い立場の人の権利を守りたい”と村で法律について教えていたという。習近平主導部が発足したころ、各地で政府にさまざまな要望を持つ人たちが抗議活動を行っていた。王さんたちは政府を批判することもためらわず市民の権利擁護を訴えた。2015年7月9日以降、当局は人権派弁護士らを一斉に摘発。その日付から「709事件」とも呼ばれ、中国全土で300人以上が取り調べを受けるなどした。「国家の転覆をはかった」として懲役4年6か月の実刑判決を受けた王さんは「いまは大きな事件があっても弁護士らが関与する情熱は大きく減退した。人権派弁護士たちは沈黙し注意深くなっている」と話した。
王さんの生活環境も一変。一旦は妻、息子と暮らせるようになったが、自宅は24時間監視され電気や水を止められ立ち退きを迫られたこともあった。息子は小学校から通学を拒否され、妻と息子は北京を離れて暮らしている。妻と息子だけでも外国に移住させようとも考えたが”国家の安全に危害を与える恐れがある”として出国は認められなかった。「私はひとりの政治犯であり、妻子は政治犯の家族。子どもの進学、就職も大きな影響があるだろう。私は父親としては失敗」と語った王さん。先週、改めて自宅を訪ねると自宅前には監視する人物。王さんは弁護士資格を剥奪されたが、今も法律の相談にのるなどしている。厳しい中でも活動を続けるのは、中国の法律や人権をめぐる状況を少しでも改善したいという思いからで「公正で独立した司法体制や人権が保障される制度がなければ”安全”な社会とはいえない。本当に人権が有効に保障される制度がつくられ市民がより自由になりすべての人が”安全”を感じられる社会になってほしい」と話した。
北京に住む人権派元弁護士の王全璋さんを取材した。「きょうはかなりしつこく尾行された」と語った王さん。自宅前には常に不審人物がいて、外出時も尾行されるという。王さんは「警察の指示を受け会社が雇った者たち。圧力を加えられるのは当局にとって”不安定要素”とみなされているから」と話した。人権派の弁護士だった王さんは当時”法律で弱い立場の人の権利を守りたい”と村で法律について教えていたという。習近平主導部が発足したころ、各地で政府にさまざまな要望を持つ人たちが抗議活動を行っていた。王さんたちは政府を批判することもためらわず市民の権利擁護を訴えた。2015年7月9日以降、当局は人権派弁護士らを一斉に摘発。その日付から「709事件」とも呼ばれ、中国全土で300人以上が取り調べを受けるなどした。「国家の転覆をはかった」として懲役4年6か月の実刑判決を受けた王さんは「いまは大きな事件があっても弁護士らが関与する情熱は大きく減退した。人権派弁護士たちは沈黙し注意深くなっている」と話した。
王さんの生活環境も一変。一旦は妻、息子と暮らせるようになったが、自宅は24時間監視され電気や水を止められ立ち退きを迫られたこともあった。息子は小学校から通学を拒否され、妻と息子は北京を離れて暮らしている。妻と息子だけでも外国に移住させようとも考えたが”国家の安全に危害を与える恐れがある”として出国は認められなかった。「私はひとりの政治犯であり、妻子は政治犯の家族。子どもの進学、就職も大きな影響があるだろう。私は父親としては失敗」と語った王さん。先週、改めて自宅を訪ねると自宅前には監視する人物。王さんは弁護士資格を剥奪されたが、今も法律の相談にのるなどしている。厳しい中でも活動を続けるのは、中国の法律や人権をめぐる状況を少しでも改善したいという思いからで「公正で独立した司法体制や人権が保障される制度がなければ”安全”な社会とはいえない。本当に人権が有効に保障される制度がつくられ市民がより自由になりすべての人が”安全”を感じられる社会になってほしい」と話した。