高市総理大臣の国会答弁があった去年11月7日。北京の日本大使館で作文コンクールの表彰式が行われていた。中国の大学生が「“推し活”で生まれた新しい日中交流」をテーマに日本語で書いた作文が表彰された。日本のビジュアル系アーティスト、作家・夏目漱石などを推す人がいた。高市首相の「台湾有事」をめぐる発言に中国政府が反発、市民からも厳しい声が上がった。答弁の1カ月後、作文コンクール入賞者も招待された日中のオンライン交流会で中国の大学生6人中の参加したのは3人だけだった。日本への留学を目指す若者にも動揺が広がっている。中国教育省が日本の治安が不安定などと主張し、日本への留学は慎重に検討するよう呼びかけた。ことし秋からの交換留学に申し込んだ大学生は、大学側から計画の変更は伝えられてはいないが、留学の機会がなくなるのではと不安を抱えている。SNS上でも戸惑いが広がっている。いまの情勢では国費留学などを難しいと考え、日本留学を断念した大学生もいた。中国では様々な場面で日本に関するイベントや交流の中止や延期が相次いでいる。そうした中、日本の交流を続けようという動きもある。8年前からほぼ毎月、北京で開かれてきた日本語と中国語の語学教室の交流会。中国の若者や社会人、日本からの留学生や駐在員など十数人が参加。去年、大学を卒業した女性は日本に行ったことはない。日本の漫画や映画に興味を持ち、2年前から日本語の勉強を始めたという。日本の友人ができ、関心も高まったという女性。いずれ両国の交流が増えることを期待している。
