今週はこれまでに放送したものの中から、反響の大きかった企画を放送。物流業界では人材不足が深刻だが今ドライバーの担い手として期待されているのが「元自衛官」。熊本市にある運送会社で、自在なハンドルさばきで荷積みを行っているのは、2年前まで自衛官として任務にあたっていた竹隈圭介さん57歳。自衛官は十分な体力が必要だとして定年の時期が55歳以降と早くに設けられている。任務の一環で資材や人員の輸送を行うので大型車両を運転していたため経験を生かせる再就職先として運送会社を選んだ。自衛隊では大型の運転免許などを持っている隊員がいるほか、定年を迎えてからも働ける期間が長いことから会社では自衛隊からの再就職に期待を寄せている。運送業界の自衛官に対する求人のニーズは高まっている。ことし4月から3か月での求人数はおよそ300人、前年の1.6倍に増えた。自衛隊などが7月に行った再就職説明会には、退職を予定しているおよそ120人の自衛官が参加した。バスやタクシーの会社も参加し、再就職を呼びかける。実際に運転も体験し、自衛隊と企業ではどのような点で勝手が違うのかを確かめる。3時間に及んだ説明会。参加した運送会社も手応えを感じることができたようで、運送会社・宮崎文生常務取締役は「ものすごく(自衛官の)反応はいい。“とりあえず乗りたい”という人がけっこういる。人手不足が少しでも解消できるようになればそれが一番」と述べた。自衛官を対象とした説明会や職業訓練などは今後、全国で行われるという。