アメリカ・トランプ大統領の不満の矛先はNATO(北大西洋条約機構)に対しても向けられた。NATO本部があるベルギー・ブリュッセルでデモ隊はが広げた旗には、ウクライナとヨーロッパを防衛せよ、などと書かれていた。アメリカによる軍事支援への期待が薄れる中、防衛費を確保するためにヨーロッパが凍結しているロシアの資産を使うべきだと主張している。そうしたデモを横目にブリュッセルに集まったのはEUの首脳陣とウクライナ・ゼレンスキー大統領。EU・フォンデアライエン委員長は、ヨーロッパ再軍備計画を提示すると述べた。大筋合意した「ヨーロッパ再軍備計画」はロシアに対する抑止力強化のため日本円で127兆円規模の資金確保を目指すもので各国の防衛費をGDP比で1.5%程度増やす案などが盛り込まれた。ヨーロッパ各国の防衛費増額を求めるトランプ大統領に対するメッセージの意味合いが強いとみられている。ただ、ウクライナへの支援のあり方を巡ってはロシアに近いハンガリー・オルバン首相が反対。合意に至らずヨーロッパの結束は道半ばとなっている。
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