2025年6月27日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2025 南アフリカ 人種対立をどう乗り越えるか

出演者
辻浩平 藤重博貴 酒井美帆 
(オープニング)
オープニング

オープニングの挨拶。

ニュースラインナップ

きょうのラインナップを紹介。

(ニュース)
トランプ大統領 イラン側と協議へ 進展みられるか

アメリカのトランプ大統領は来週イラン側と協議を行なう考えを示した。核開発問題をめぐり進展が見られるかが注目となる。 “イスラエルとイランの戦闘は終わった”と強調したトランプ大統領、イランの核施設への攻撃について広島・長崎への原爆投下になぞらえる発言を繰り返した。一方イランの最高指導者・ハメネイ師は26日イスラエルとの停戦後初めて国営テレビで演説。「アメリカは(イランとの)直接的な戦争に突入した。アメリカは介入しなければイスラエルが完全に破壊されると考えたからだ。しかしアメリカはこの戦争から何ら成果を得られなかった」と批判。

イスラエルとイラン 停戦合意の“舞台裏” 米アクシオス報道

イスラエルとイランとの間の停戦合意について。アメリカのアクシオスはその舞台裏を報じている。21日アメリカがイランの核施設を攻撃、23日イランがカタールの米軍基地をミサイル攻撃。イラン側がアメリカに対しいつ何を標的にするか事前に伝えていたとしている。さらにイランは攻撃の直後 アメリカに対し“これ以上の攻撃はしない”として伝えた他、アメリカも “報復せず交渉の用意”があると改めて伝えた。トランプ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相に “戦闘を終わらせたい”と伝え、ネタニヤフ首相も停戦に同意し “イランが攻撃を止めればこれ以上攻撃しない”と伝えたという。

停戦を受け 復旧作業始まる イスラエルとイラン

イスラエルとイランとの間ではこれまでのところどちら側にも攻撃は伝えられておらず、日常を取り戻そうという動きも出ている。イスラエルのテルアビブの理髪店では散乱したガラスの破片を片付ける様子が見られた。イランでは道路都市計画省が 一部空港で運航を再開したと発表。ただ今回被害を受けたイラン核施設の被害状況については評価は様々となっている。

皆さんの声 募集中

番組では皆さんの声を募集。

米・ウクライナ首脳が会談

閉幕したNATO首脳会議ではトランプ大統領の求めに応じる形で加盟国が国防費などの割合をGDPの5%に引き上げることで一致。ウクライナをめぐって特別な会合はなかったもののゼレンスキー大統領と約50分会談を行った。トランプ大統領は「ゼレンスキー大統領は終結を望んでいる。プーチン大統領と話し終結できるか確認する」などとコメント。ウクライナのメディアはウクライナ国防省の情報総局の関係者の話としてロシア軍が年内に約600人の中国軍の兵士をロシア軍の基地や軍事センターで受け入れ訓練を実施と報じた。ロシアが西側との対立中国と連携しようとする意図が明確に示されているとしている。中国外務省・郭嘉昆報道官は「それに関する情報はない」などとコメント。

辻’s Angle “トランプ氏のための会議” NATO首脳会議閉幕

今回のNATO首脳会議はトランプ大統領のための会議だったといえると思う。開催地のオランダでは国王がトランプ大統領を宮殿に招待、NATO・ルッテ事務総長も「あなたはアメリカとヨーロッパをとても重要な瞬間に導いてくれた」などとメッセージをトランプ大統領に送り持ち上げている。各国が国防費の負担増で合意したのもトランプ大統領の求めに応じるため。首脳会議ではウクライナ問題については十分議論されたとは言い難い状況。去年の首脳宣言ではウクライナという言葉は61回、今年は2回。NATOの正念場はこれから。

中国の兵器システムに各国が関心

世界の武器輸出市場で存在感を高める中国について。インドとパキスタンの軍事衝突でパキスタン軍は中国製戦闘機「殲10」でインド軍が運用するフランス製の戦闘機を撃墜したとしている。殲10など中国の兵器システムに各国の関心が集まっている。フランスで開かれた航空ショー、48の国と地域の企業などが参加。航空機や防空装備品をアピール。なかでも注目されたのが、中国の戦闘機。最新鋭のステルス戦闘機・殲35も紹介された。研究機関の調査では中国の武器輸出シェアは5.9%。アメリカ、フランス、ロシアに次ぐ世界4位。会場には各国の軍関係者が訪れていた。殲10は2004年に中国で部隊へ配備開始。22年に初の輸出、パキスタン軍に配備される。インドネシアはアメリカやロシア製の戦闘機を運用、フランス製戦闘機の調達も決める。国防省長官は中国から殲10調達の提案を受けていると述べる。中国の狙いについて、防衛省防衛研究所・増田中国研究室長によると、比較的安い価格で性能が高いものをさまざまな国に輸出あるいは提供することにより実戦のビッグデータをさらに向上させたいとの思いもあると思うと指摘。

WOW!The World
“幸せ祈るコイン”で世界遺産が…

イギリス・北アイルランドにある世界遺産・ジャイアンツ・コーズウェーの景勝地が6000万年たった今、危機にひんしている。観光客が幸運を祈って岩にコインを挟むという。世界遺産の管理団体は、コインがさびて岩にダメージを与えているとコメント。コインを取り除く作業が進められているが観光客は年間100万人近くに上っていて、取り除くには時間も莫大な費用もかかるという。

“動物は音楽が好き?” 動物園で調査

野外で弾き語り、観客はテナガザル。木から下りて聞き入っているよう。フランスの動物園では動物たちへの音楽の反応を調査。音楽家たちが3か月間、7分間の演奏を聞かせる。動物行動学者は、将来的には動物向けに定期演奏会を開くこともできるはずとコメント。

“蚊ほどの大きさ” ドローン開発

中国の国防科学技術大学が開発したのは超小型のドローン。全長2cm、重さ0.3g、レーダーに検知されにくいため敵陣の奥深くに入り込める。専門家は高度な偵察能力を持つと評価。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
トランプ大統領“介入”で波紋 南アフリカ“白人迫害”の実態は

先月行われた首脳会談でアメリカ・トランプ大統領は ”白人が迫害されている内容の記事が多くある”と一方的に主張し南アフリカを批判した。これに南アフリカ・ラマポーザ大統領は「迫害されている多くは黒人」と反論。南アフリカで少数の白人が大多数の黒人を支配するアパルトヘイト(人種隔離政策)が撤廃されて約30年経つが、今も白人と黒人の格差は大きく人口わずか7%の白人が70%の農地を所有している。不平等を解消するため白人から土地を取り戻すと訴える過激な黒人主体の政党が支持を伸ばしている。

人種間の対立が根強く残る中、トランプ大統領は南アフリカの白人を難民として受け入れるとまで発表。実際に約60人が渡米した。トランプ大統領の介入ともいえる動きで波紋が広がる現地を取材した。南アフリカ北部の農村地帯に建ち並ぶのは殺された白人農家の人々を示すモニュメント。約3000のモニュメントにはアパルトヘイト撤廃移行に殺害された白人農家の名前や年齢が記されている。「白人農家へのジェノサイドはある」と主張するのは管理者のコーバスデランガさん。被害者遺族と連絡を取り立ててきた十字架はこの4年間で毎年約50本ずつ増えているという。コーバスさんは「農家殺人は人種問題が動機。大半は残酷に殺すことが目的」と指摘。3年前に35歳で殺害されたニッキーさんは外出から帰宅した際に婚約者の目の前で5人組の男に襲われ命を落とした。婚約者のベロニカさんは、白人への憎悪を抱く黒人による犯行と考えていて「トランプ大統領がこの問題に目を向けてくれてよかった」などと語った。

南アフリカでは治安の悪化が深刻な社会問題となっている。殺人件数は年間2万7000件。警察は、今年1月からの3か月間に殺された農業関係者6人のうち5人が黒人で白人は1人だけと発表。これまで出さなかった人種別の内訳をあえて公表し、被害者は白人だけではないと主張。黒人も被害者と訴える人も。農家のマハボモラバさん自身も15年ほどで3回強盗に襲われ「白人だけでなく皆がターゲット。実際、黒人の被害者の方が白人よりずっと多いくらい。(白人の)大半は今も大規模農園を所有している。黒人には到底手が届かない。(白人の)大半は裕福で自衛できる」と話した。自宅に何重もの柵をつけるなど出費もかさんでいる。

白人と黒人が共に助け合い情報交換をするなどの取り組みも始まっている。取り組みを主導するのは、この地域で25年農業を営んでいる白人農家のコビーヤンセンファンレンスブルグさん。かつて軍関係の仕事に従事していて、地域の人々を守りたいと始めた。2年前に母親を殺されたという黒人男性が相談に訪れると励ましていた。コビーさんは地域の人たちとパトロール隊を組織し、仲間が襲われたらすぐに駆けつけられるようにしている。問題解決には肌の色の違いを超え協力していくしかないとコビーさんは考えていて「実際に農家を狙った犯罪は多い。(国を出る白人農家の)気持ちも分かるが、私たちは家族のように共に闘い問題を解決し前に進まなければならない。憎しみあっている余裕はない」と語った。

LIVE>>ヨハネスブルグ 南アフリカ“白人迫害”の実態は/トランプ政権の“圧力”受け止めは/深刻な治安悪化 改善は

トランプ政権は白人農家へのジェノサイドが起きているとして南アフリカへの支援を停止したり、G20の会合を欠席したりと圧力をかけている。犯罪の被害に加え、南アフリカでは白人農家を敵視し、集会で公然と「白人農家を殺せ」という掛け声をあげる過激な政党が台頭している。アパルトヘイトが撤廃されてから30年以上が過ぎたが、大きな経済的な不平等がはびこる構造は変わっていない。一方で南アフリカには民主主義の原則が根付いているというポジティブな側面もある。

(ニュース)
J-POPが“生きる希望”に

今年、国交正常化から60年となった日本と韓国。これまで両国の架け橋になってきたのが大衆文化。韓国では最近、若者を中心にJ-POPが広く受け入れられているが、その草分け的存在が歌手の中島美嘉。中島の「僕が死のうと思ったのは」が多くの人たちの心を掴んでいるという。先月、韓国で初めて開かれた中島のコンサートでも披露された。代表曲の一つ「雪の華」は2004年に韓国の歌手によるカバー曲がドラマの主題歌に起用され大きな人気を集めた。かつて韓国政府は日本による植民地支配の歴史を理由に日本の大衆文化を厳しく規制していたが、1998年以降、段階的に開放し、いまではJ-POPが広く受け入れられている。中島美嘉の「僕が死のうと思ったのは」は日本では披露される機会が少なかった曲だが、韓国ではSNSを通じて広がったという。この曲から“生きる希望”を見出したという家族がいる。ソウルで暮らす夫婦と高校生の息子。息子は脳に重い障害があり、車椅子で生活している。息子が大好きなのは「音楽を聴くこと」。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
イギリス 核搭載可能な戦闘機購入へ

イギリス政府は24日、核兵器を搭載できるステルス戦闘機をアメリカから購入する計画を発表。イギリス・スターマー首相は「我々のNATOへの献身は揺るぎない」などとコメント。24日に発表した国家安全保障戦略でもロシアを念頭にイギリス本土が直接の脅威にさらされる可能性に積極的に備える必要があるとして国民に警戒を呼びかけている。野党は安全保障の依存度が高まることへの懸念を指摘。

AIIB 設立10年で総裁交代

国が主導するAIIB・アジアインフラ投資銀行は年次総会を開き、次の総裁に中国財政省元次官の鄒加怡氏が就任することを決めた。

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