オランダのハーグで取材にあたっている、ブリュッセル市局長の杉田沙智代が報告。NATO首脳会議でルッテ事務総長は、GDP比の5%という目標の合意で一致できると自信を見せている。オランダでは人員も施設も十分に確保できるのかが今後の課題。そもそも予算をどう確保していくのか、はっきりしていない。オランダ政府は今後追加で少なくとも3兆円あまりを国防費と関連費用に使うと試算。しかし、今月初めに連立政権が崩壊し、予算確保の具体策については検討も始まっていない。NATOは2014年にも、全ての加盟国が10年後までには国防費をGDPで2%以上に引き上げという目標で一致。この年にあったロシアのクリミア併合を受けての対応だったが、達成できたのは32か国中22か国。アメリカはこれに懸念を示していて、NATO加盟国の間では、2014年の合意は失敗だったとの言われ方もある。国防費引き上げの達成時期について当初は2032年と、ルッテ事務総長が提案していた。一部の国から早すぎるという声が出て、最終的には目標を2035年で合意。NATO関係者の間では「2014年の合意の経験があるからこそ目標が骨抜きにならないように」との声が上がっている。今回の合意について加盟国が毎年進捗状況を報告する仕組みを設ける見通し。
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