ロシアとベラルーシによる合同軍事演習「ザーパド2025」。今月12日~16日まで両国にある演習場やバルト海などで行われている。ベラルーシの首都・ミンスクで公開された演習では航空機や戦車のほか、無人機やロボットなどを使った作戦を展開。NATO加盟国の3か国を含む約20か国の代表がオブザーバーとして参加。今回の演習前からロシア国営メディアなどが注目してきたのは「オレシュニク」という兵器。ロシアは年末までにベラルーシに配備の方針を示していて、ベラルーシ国防省は今回の演習で使用計画の確認を行ったと明らかにした。オレシュニクは核弾頭が搭載できる新型中距離弾道ミサイルで、去年、ウクライナへの攻撃で初めて実戦で使用された。プーチン大統領はオレシュニクの射程について5500キロメートルにのぼるとしている。ヨーロッパ大陸でベラルーシから最も遠いポルトガルでも約3500キロの距離に収まる。専門会はアメリカと旧ソビエトの冷戦の軍拡競争を例に挙げ、ヨーロッパへのメッセージだと指摘した上で、威嚇というねらいが一番大きいと述べた。トランプ大統領とプーチン大統領がウクライナ侵攻後、初めて対面会談してから1か月。ウクライナではロシア軍による攻撃が続き、停戦や和平に向けた動きは停滞している。さらにロシア軍の無人機はウクライナの隣国にまで。NATO加盟国のポーランドでは今月10日にかけてロシア軍の無人機が領空を侵犯。残骸などが見つかったという。また13日にはルーマニアもロシア軍の無人機に領空侵犯されたと明らかにした。NATOは航空機の配備を増やすなどしてヨーロッパ東部の加盟国の防空態勢を強化すると明らかに。専門家はロシアが積極的に交渉に取り組むことは考えにくいとしながらも、トランプ大統領の圧力がカギを握るとしている。
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