先月、ヨーロッパでロシアの領空侵犯が相次いだ。ポーランドではベラルーシから飛来したとみられるロシアの無人機19機が領空を侵犯し4機が撃墜された。エストニアではミグ31戦闘機3機がバルト海で領空侵犯しNATOの戦闘機が出動した。ポーランドとエストニアはNATO条約第4条にもとづく緊急協議を要請した。先月1か月で2回の発動はきわめて異例。ロシア政府は侵犯を認めていないが米戦争研究所がロシアがNATOの防空能力・政治的意思を試したという狙いを分析した。ロシアの脅威に一際警戒を強めているのはドイツ。ドイツ政府は徴兵再開も可能とする新法案を閣議決定した。ドイツはナチス時代の反省から平和主義を掲げ軍備の増強には慎重な姿勢を貫いてきた。しかしことし2月の総選挙で政権交代が確実になった後、国防力強化へかじをきった。
トランプ政権にどう対処するかは欧州にとって悩ましい課題。トランプ政権は中国の対応に集中したいと欧州防衛に後ろ向きの姿勢を隠していない。またプーチン政権への対応にも温度差がある。国防費についてもNATO加盟国に対しGDP費5%に引き上げを要求してきた。6月NATO首脳会議では欧州各国は条件つきで受け入れた。今後の方向性は戦略的自立の強化と連携の再構築。
トランプ政権にどう対処するかは欧州にとって悩ましい課題。トランプ政権は中国の対応に集中したいと欧州防衛に後ろ向きの姿勢を隠していない。またプーチン政権への対応にも温度差がある。国防費についてもNATO加盟国に対しGDP費5%に引き上げを要求してきた。6月NATO首脳会議では欧州各国は条件つきで受け入れた。今後の方向性は戦略的自立の強化と連携の再構築。
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