北朝鮮が去年5月、軍事偵察衛星の打ち上げに失敗してからきょうで1年。北朝鮮は軍事偵察衛星をめぐって、軌道に投入したとする一昨年11月に続いて去年のうちに追加で3基打ち上げる計画だったが、この1年は動きがない。軍事偵察衛星の打ち上げは今年が最終年にあたる国防5か年計画の重要課題の一つ。金総書記は「失敗を恐れて萎縮してはならない」と科学者らを鼓舞していただけに、原因を究明した上で慎重に改良を進めているとの見方が強い。カギを握るのは宇宙大国ロシア。北朝鮮は軍事協力を深めるロシアから軍事偵察衛星やロケットの技術支援を受けていると、韓国の情報機関はみている。北朝鮮は韓国の動きも気にしている。韓国は先月までの1年余で4基の軍事偵察衛星を同盟国アメリカから打ち上げている。年内に5基目の配備が完了すると、北朝鮮国内の特定の場所を2時間ごとに監視できるようになる。金総書記が敵対国と位置づける韓国への対抗意識は強い。現時点で再打ち上げの兆候は確認されていないが、北朝鮮は来月で挑戦戦争勃発から75年、10月には朝鮮労働党の創立80年と国威発揚を図りたい節目を控えていて、関係国は警戒と監視を続けている。