近年は不漁だったスルメイカが今シーズンは漁獲量が増えている。漁獲量は記録が残る1956年以降、去年は過去最低の約1万9800トンとなった。1968年のピークと比べると30分の1まで下がっている。今シーズンは10月下旬までに1万7800トンに達している。スルメイカ漁は小型船のイカ釣り漁、底引き網漁、巻き網漁、中型船・大型船のイカ釣り漁に分かれている。このうち小型船のイカ釣り漁は漁獲枠を超えて停止命令が出ているが、他の漁法の漁獲量は枠内にとどまっているため操業は続いている。小型船のイカ釣り漁は全国で約2000隻の船が操業していて関係者も多いため、漁の停止で地域経済への影響は少 なくない。きのうの有識者会議で小型船の漁獲枠について話し合われ5757トンに拡大されたが、先月24日時点の漁獲量は5896トンと拡大後の漁獲枠を超えているため、水産庁は漁の停止命令を当面続けるとしている。きのうの会議では漁業者から漁の再開を求める声が相次いだ。水産庁は小型船に対し、ほかの漁の枠や国の予備枠を振り向けることを検討。北海学園大学・濱田武士教授は「スルメイカは1年しか生きない生き物で資源管理の方法は確立していないため、国は資源量の情報を早くつかみ、科学的な判断ができる体制作りが大事」と話した。
