国の特別天然記念物のアオウホドリ。明治時代には数百万羽いたとされるが、羽毛の乱獲により、1940年代には絶滅が懸念された。長年の保護の結果8000羽まで回復した。千葉・我孫子の山階鳥類研究所ではデコイという模型を作り、アホウドリのコロニーを新たに作るなど保全に取り組んできた。繁殖地の鳥島には活火山があり、研究所では小笠原諸島に新たな繁殖地を作る取り組みも行なってきたが、環境省は予算を大幅に減額すると通知してきた。そこの助けの手を差し出したのはアメリカ。研究所はアホウドリにGPSを装着し移動ルートを探ってきたが、アメリカが支援の手を差し伸べた根拠は1973年に制定された種の保存法。研究所の水田さんは生物多様性が直面する危機的状況を好転させるためにも、日本は多様性の保全に資金を投じるべきだと訴えている。