千葉商科大学の正門のすぐ前でのれんを掲げて、およそ70年という町中華「萬来軒」。学生や地域の人の胃袋を満たしてきたが、2年前に2代目の店主藤ノ木政勝が病気になり休業を余儀なくされた。再開を待つお客さんのために立ち上がった大学生の奮闘を取材した。芹澤孟は千葉商科大学の4年生。これまで会社経営について学び、2年生の時には大学の制度を利用して期間限定の中華料理店を運営。その経験を生かして店を引き継ぎたいと病に伏せていた藤ノ木を説得した。今年6月再開の準備を始めた芹澤はまず店の味の再現にとりかかった。看板メニュー鶏の手羽を使ったから揚げ。店の歴史が詰まった逸品だが、紙のレシピはなかった。味の秘けつは、このたれ。しょうゆや昆布だしなどの配合が難しく授業の合間をぬって、1か月以上試行錯誤を重ねた。最後は藤ノ木夫妻に味を確認してもらったという。芹澤は店の再開にあたって会社を設立。開業資金のおよそ300万円は大学の関連会社から融資を受けた。休業中に使えなくなった設備も多くちゅう房機器の多くはリース契約で費用を抑えることにした。フルタイムで働ける専門の調理スタッフは正社員として大学の学食で働いていた男性に加わってもらった。こうして先月1日、満を持して営業を再開。かつての味を求めるお客さんで連日にぎわっている。芹澤は春から金融機関への就職が決まっていて最初の5年は副業ができないため大学内でこの経営を引き継いでくれる後輩を探している。就職先では中小企業の支援などを経験しより成長した姿でまた店に戻ってきたいという。
住所: 千葉県市川市国府台1-3-1
URL: http://www.cuc.ac.jp/
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