千葉県に住む宮崎一二三さんは自宅のある千葉県から新幹線や鉄道、タクシーを乗り継いで4時間かけて三重・伊勢市の寺を訪れた。この寺で彼女が他界した母親から継いだ墓は全部で20基。ここ以外にも父親から継いだ墓もあり、管理している墓は40基ほどに上るという。両親からは墓を守り続けてほしいと言われてきた。しかし、彼女には子どもがいないため、他に継げる人もなく墓じまいしなければならないと考えている。ただ、墓地の管理者に問い合わせたところ、取り出した遺骨を永代供養すると1体当たり100万円ほどかかるといい、合わせると数千万円はかかってしまうのではないかと心配している。宮崎さん自身の気持ちも揺れていた。墓には世話になった祖父母の遺骨が眠り、よく母親と墓参りに訪れていたといい思い入れも大きいという。この日、市内の実家も訪れた。この家も両親が亡くなって以来、空き家になっている。並んで置かれているのは3年前に亡くなった母親と19年前に交通事故で亡くなった父親の遺骨である。両親は一人娘の彼女をかわいがってくれた。2人の遺骨を墓に納めてもいずれその墓をしまうと考えるといまだにどこにも納められていない。母親は生前、父親の遺骨を墓に入れたいと言い、宮崎さんと口論になった。宮崎さんはいずれ墓じまいをして先祖や両親の遺骨をともに散骨しようと考えているが一方でそれをためらう気持ちも捨てきれないという。以前放送した際、番組に多くの反響が寄せられた。墓じまいしてしまうと元には戻せないので周囲の人とよく相談し納得して進めていかなければいけない。