墓じまいをしたいが思うように進まない。声を寄せてくれた男性。横浜市で木工製品の職人として働いている。男性の先祖代々の墓があるのは父親のふるさとでもある愛媛県。奈良県に住む父親は就職を機にふるさとを離れた後も墓の管理を担ってきた。ところが5年ほど前、父親の体調が悪化。男性は父親に代わって愛媛県まで通うようになった。遠方に墓参りに出向く負担は大きく、男性は父親に墓じまいをしようと相談。すると父親から自分が住む奈良に墓を移して世話をしたいと言われ戸惑ったという。1年にわたる話し合いの末に家族の気持ちはまとまり、墓じまいをして永滞供養することにした。しかし、いざ実行に移そうとすると先祖の多くが土葬されていることが判明。寺の住職から遺骨を掘り出すのは簡単ではないと言われた。思わぬ費用負担に直面したという自らの体験を寄せてくれた人もいる。千葉県に暮らす女性は3年前に亡くなった母親から三重県にある墓の管理を頼まれた。しかし一人っ子で子供もいないため墓じまいを決断した。ところが、いざ先祖代々の墓を訪れてみると三重県にあったのは13代の親族が眠っているという40もの墓石。全てを永滞供養してもらうと費用は数千万円に上ると心配している。今、女性は費用の負担が軽い海洋散骨を検討している。