高校生のお昼ごはんの課題を解決しようというビジネスを取材した。福岡県筑紫野にある福岡常葉高等学校では、弁当の注文はスマホの専用アプリから行う。保護者が事前に購入したポイントを使い、生徒が食べたい弁当を選ぶ。ポイント式にすることで、弁当の注文以外には使えないようにする仕組みになっている。料金は1食450円からで、弁当会社の栄養士がメニューを考えている。大盛りなど、ごはんのボリュームも選べる。前日までの注文が基本だが、当日の朝9時まで受け付けているため、急に必要になったときでも安心。学校がこのサービスを導入したきっかけは、2年前の学食の閉鎖だった。生徒数の減少や材料費の高騰で学食の維持が難しくなる中、コロナ禍での休校が決定打となった。アプリを開発した福岡市南区にあるスタートアップ企業では、この3年間で31都道府県、およそ500の高校や学童施設に利用が広がっているという。代表の川浪さんは、もともと学食を運営する会社で役員を務めていた。学食の縮小や撤退、弁当作りの負担など様々な課題を目にする中、このサービスを思いついた。弁当会社も新たな販路拡大につながっている。これまで企業や自治体などを中心に弁当を納めていたが、ほかにも2つの学校とも取り引きが生まれて、売り上げはおよそ1割増えたという。学生食堂や給食を手がける企業は、3割が赤字だという調査もある。学校側でも校内にコンビニを入れたり、弁当やパンの自販機を置いたりするところも増えているということで、学校のランチの光景も変わりつつあるようだ。