今月3日に和歌山県串本町で南海トラフ巨大地震の津波を想定した訓練があった。南海トラフ巨大地震が起きると串本町には数分で津波が到達し、最大17mに達すると想定されている。町の中心部はJRが緊急時に備えて扉を設置しているが、これが解放され線路を横断して避難するルートを確認した。町は徒歩避難を原則としているので歩いて高台を目指していた。今回NHKは町と一緒に車避難について実験を行った。関西大学の近藤誠司教授と杉本さん家族に協力したもらった。実験内容は海沿いの地域から車に乗って高台を目指し、その途中でどんな課題があるのか検証する。激しい揺れで町に大きな被害が出ていることを想定し道路を走る。高台を目指し国道42号へ。交通量が多くなかなか右折出来ないが地震発生後は更に混雑する可能性がある。踏切では地震のあと故障で遮断器が降りたままになったり渋滞が発生することを想定し別のルートへ。津波が迫っているため来るまでの避難を断念、車を乗り捨て線路をわたることが出来る避難経路に向かう。緊急時に備えJR西日本が設置している扉が町の避難訓練に合わせて特別に開放されていた。高台に通じる約170段の階段を登っていく。関西大学の近藤誠司教授は、何かひとつでも課題が眠ったままだといざ避難するときにとても困ってしまう、実際に動いてみながらしっかり課題を直視してその先に改善策を見つけると話した。車避難の実験では、道路の液状化、電柱・ブロック塀の倒壊などで使えなくなる、車が殺到して渋滞が起きる、車を乗り捨てる場所はあるか等課題が見えてきた。近藤教授は、車避難のルールについても今後考えていく必要があると指摘している。
