季節外れの大腸菌O157について、いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長の解説。この時期の流行について、暑さが長引いた影響や夏の間に胃腸の粘膜の免疫機能が弱ったということが関係しているのではないかとのこと。また、インフルエンザの患者でも胃腸炎の症状がある患者もいるとのこと。O157は50個程度の個体でも感染させる力があるそうで、普段から守り(免疫力)を固めておくことだ大事だそう。そもそも腸管出血性大腸菌「O157」とは何なのか。病原性大腸菌の一種で157番目に発見。ベロ毒素という強力な毒素を持ち感染力が強く少ない菌数でも感染する。潜伏期間は2日~9日で症状は腹痛、下痢。吐き気や発熱を伴うことも。腸内が傷つけられ血便になるのが特徴。発症した患者の内7%ほどが溶血性尿毒症症候群や脳症など重症の合併症に進行。適切な治療を行わないと命にかかわることもある。特に子どもや高齢者など免疫力の弱い人は重症化しやすい。主な感染経路は食品や水による経口感染、調理器具を介した感染、人から人への二次感染、動物から人への接触感染があげられる。食中毒を防ぐには、手洗いや器具の洗浄・殺菌、生肉用の箸と焼けた肉用の箸を別けるなどの「付けない」、食材を低温で保存する「増やさない」、食べ物や調理器具を加熱処理して「やっつける」の3原則が重要。伊藤院長によると今後はノロウイルスにも注意が必要とのこと。
