公的年金の財政検証の結果がきのう公表され、過去30年間と同程度の経済状況が続いた場合でも現役世代の平均収入の50%以上を維持できるとされた。厚生労働省は来年の制度改正では、国民年金保険料の納付期間の5年延長を見送る方針。5年に1度、公的年金の財政状況をチェックし、将来の給付水準の見通しを示す財政検証。きのう公表された結果では、過去30年間と同程度の経済状況が続いても現役世代の男性の平均手取り収入を100%として夫婦2人のモデル世帯が受け取る年金額の割合は、およそ30年後に50.4%と今より10ポイント程度低下するものの法律で約束する50%以上は維持できるとしている。国民年金保険料の納付期間を現行の40年から45年に延長することは見送る方針を表明した。厚生労働省は来年の制度改正に向けて議論を本格化することにしていて、この中では基礎年金の給付改善策として厚生年金財政からの拠出を増やす案を検討しているが、基礎年金は半分が国庫負担のため財源確保も課題となる。このほか、厚生年金に加入できる人をさらに増やす案などが検討されていて、厚生労働省は年内に結論を得たうえで来年の通常国会への法案提出を目指す方針。