厚生労働省の推計では、2022年度の全国の介護職員は約215万4000人、2040年度には272万人が必要になるが、このままだと56万6000人不足するとされている。また、介護の人手不足を解消するための特定技能制度の「介護」で入国する外国人については、昨年度までに5万人余りの受け入れを見込んでいたが、出入国在留管理庁によるとことし8月時点で3万9000人余りにとどまっている。こうしたことから厚生労働省は外国人の介護人材獲得に向け、民間事業者が採用活動などを海外で行う場合経費の一部を補助する事業を昨年度から始めた。1事業者あたり原則50万円を上限に、現地の学校などとの関係構築や、現地で説明会を開くなど採用や広報活動にかかる費用を補助する事業などに、今年度の補正予算として2億7000万円を計上した。厚生労働省は「世界的な介護人材の獲得競争が激化している中、海外への働きかけの強化が必要で、取り組みを進める事業者への支援を継続していきたい」としている。