厚生労働省は、働く人の賃金の実態を明らかにしようと毎年6月分を対象に調査していて、今回は回答が得られた全国5万余りの事業所の結果を集計した。それによると、非正規雇用を含むフルタイムで働く人の去年の平均賃金は月額33万400円で、比較できる1976年以降、3年連続で過去最高額を更新した。雇用形態別に見ると、正規雇用の人が34万8600円で、前の年より3.7%増えたのに対して、フルタイムで働く非正規雇用の人は23万3100円で2.9%の増加だった。また男女別では、男性は36万3100円で、前の年よりも3.5%増加。女性は27万5300円で4.8%の増加となり、男女間の賃金格差は、比較できる1976年以降で最も小さくなった。厚生労働省は、春闘における賃上げの影響などを受け、全体の平均賃金も高まっている。男女間の賃金格差については、企業に公表を義務づけていることなどから、やや縮まってきていて、今後の動向を注視していきたいとしている。