これまで関税0が常識だった医薬品に対しトランプ大統領は関税をかけるという。東京商工リサーチの加藤梓さんは、廃業や倒産した病院、企業に出向き、業績が悪化した理由を調査している。都内某所のクリニックでは2年前に突然、SNSで3日後に外来診療を休診すると発表。その発表から6日後に閉院した。今、多くの病院が深刻な経営危機に陥っている。2024年の医療機関の休廃業は598件で倒産が64件で過去20年間で最多となった。東京・大田区にある竹内内科小児科医院を取材。順調そうに見えるが経営はかなり厳しいという。医薬品や備品の価格表を見せてくれた。先月とくれると心電図用パッドは1600円値上がり。ダイエット用の注射薬は300円値上がり。物価高騰は医療業界にも直撃していた。他にも光熱費、設備投資、人件費の増加などで経営が圧迫。そんな状況に追い打ちをかけるのが去年4月に行われた診療報酬の改定だった。日本の医療業界は現場の犠牲で成り立っているという。さらに別の問題も起きていた。船橋市立医療センターでは雨漏りが発生。さらに医療機器が限られたスペースを圧迫。船橋市は近くの土地への建て替えを計画。最寄りには新駅が誕生し、地上7階建ての新病院の建設に向け、着工が始まっているはずだった。建設予定地は柵で囲われ手つかずのままだった。着工が遅れている原因は建設資材の高騰と労務費の高騰だった。2017年225億円だった工事費が去年には571億円に上がっていた。さらに企業の見積額が720億円にものぼった。こういった事態は全国で相次いでいる。吉祥寺南病院は二次救急医療機関として地域医療を担ってきたが、経営悪化などで去年10月から診療休止になった。3月五日に吉祥寺南病院の運営を引き継ぐ法人が発表された。