世界最悪レベルの原発事故から13年半を経て、廃炉は新たな段階に入る。東京電力はきょう、福島第一原発2号機から核燃料デブリの試験的な取り出しを完了したと発表した。原子炉の格納容器から取り出されたのは初めてだが、本格的に取り出すための工法は決まっていないなど課題は山積。大きさは5ミリほど、重さ数グラムと見られる。細いパイプ状の装置を格納容器の内部に入れ、底にあるデブリを回収する今回の計画。デブリが入った容器をきょう専用のコンテナに移し、試験的な取り出しが完了。デブリは硬さや化学的な特徴について詳しい分析が行われる予定。今後、本格的に取り出す際、デブリを細かくするのにどのような装置が必要なのか、デブリを取り出す際などに核分裂反応が連続する「臨界」が発生するリスクはないのか、このような検討を行う際に必要なデータとなる。
原発事故後、初めて取り出された核燃料デブリ。事故で溶け落ちた核燃料と周囲の金属などが混ざり合ったもので、その総量は880トンに上ると推定されている。デブリの取り出しが、廃炉の完了に向けた最大の難関とされている。今回の取り出しについて原子力規制委員会・更田豊志前委員長は「大事な一歩」としつつ、「廃炉はまだ序盤だ」と指摘し、「廃炉工程全体が大きく前進したという捉え方をするものではない」と語った。
その廃炉完了までの工程表。原発事故から40年となる2051年までの廃炉完了を目指している。今回行われた核燃料デブリの取り出しは、当初は2021年に着手する計画だった。装置の開発の難航などですでに3年遅れている。一定の規模で本格的にデブリを取り出す作業の開始は、2030年代初めを目指している。しかし具体的にどういった工法で取り出すのかはまだ決まっていない。さらにデブリを取り出せたとしても、その処分方法はまだ決まっていない。今回の取り出しを廃炉の着実な進展につなげられるのか、先行きは不透明なまま。避難を続ける男性は「最後まできちんと取り出して、孫やひ孫の代までかかっても、廃炉を進めてほしい」と話していた。2051年までに廃炉が完了できるのか、その過程をしっかりと見ていく必要がある。
原発事故後、初めて取り出された核燃料デブリ。事故で溶け落ちた核燃料と周囲の金属などが混ざり合ったもので、その総量は880トンに上ると推定されている。デブリの取り出しが、廃炉の完了に向けた最大の難関とされている。今回の取り出しについて原子力規制委員会・更田豊志前委員長は「大事な一歩」としつつ、「廃炉はまだ序盤だ」と指摘し、「廃炉工程全体が大きく前進したという捉え方をするものではない」と語った。
その廃炉完了までの工程表。原発事故から40年となる2051年までの廃炉完了を目指している。今回行われた核燃料デブリの取り出しは、当初は2021年に着手する計画だった。装置の開発の難航などですでに3年遅れている。一定の規模で本格的にデブリを取り出す作業の開始は、2030年代初めを目指している。しかし具体的にどういった工法で取り出すのかはまだ決まっていない。さらにデブリを取り出せたとしても、その処分方法はまだ決まっていない。今回の取り出しを廃炉の着実な進展につなげられるのか、先行きは不透明なまま。避難を続ける男性は「最後まできちんと取り出して、孫やひ孫の代までかかっても、廃炉を進めてほしい」と話していた。2051年までに廃炉が完了できるのか、その過程をしっかりと見ていく必要がある。