高度経済成長期に全国各地に数多く建てられた団地だが、今、より暮らしやすくするためのライフスタイルの提案や新しい技術の開発が進んでいる。茨城県取手市にある築およそ50年の団地には、1500世帯余りが暮らしている。エレベーターが設置されていないため、階段での上り下りが大変な4階と5階は敬遠されがちで空室が増えている。そこでこの団地がことしから始めたプランが、4階と5階を同じ住人が借りることができるセット貸し。子どもが遊んだり運動しても、下は自分の部屋なので騒音の問題はない。家賃は1住戸が4万円ほどのところ、4階5階のセットで5万円ほどになっている。入居者の1人、平井亨季さんは映像作品を制作するアーティストで、5階で上映会などを行っている。階段の上り下りを楽にする新技術も開発されている。人を乗せて団地の階段を移動するロボットの実証実験を紹介。実用化されれば、エレベーターを設置する10分の1のコストで導入が可能。3年前からロボットの開発を行ってきたスタートアップ・藤倉秀幸参事は「自動に安全に上らせることを最優先に進めて、社会実装に向けて頑張っていきたい」と述べた。総務省の調べによると、エレベーターがない4階、5階での住宅は全国で24万棟近くある。