政府が進める経済安全保障の具体策、1つ目は「サプライチェーン供給網の強化」。国民生活に欠かせず、特定の国や地域に供給を依存している物資を「特定重要物資」として指定し、安定供給に必要な支援を進めている。半導体やリチウム・レアアースなどの重要鉱物など11の物資が対象となっている。政府の行う重要物資の確保について高市さんは「この11物資は去年の12月に政令決定された。政令決定は閣議決定しなければならないが、それに先立ち9月に各省にサプライチェーン調査をかけてもらった。補正予算で1兆300億円以上のお金を付けてもらい取り組んでいる。具体的にはβラクタム系の抗菌薬は中国に100%依存していたが、一時供給が止まった際手術の延期などが国内で起こり、正常化するまでに1年かかった。そこで原料・製造など母核から国内で作り、現在2チームが携わっている。こういった国内で供給できるものは国内で作る。天然ガスなどそれが不可能なものは調達先を多角化する取り組みを進めている」とした。戸堂さんは特定重要物資の対象や範囲について「現状特定重要物資の定義が広い。例えば工作機械の中には半導体のように必要なものもあればそうでないものもある。そこを切り分けていくことが重要となる」と話した。細川さんはこれに対し「特定重要物資の定義が定められているのだから、私はそうは思わない。例えば工作機械の話もあったが、すべてを対象としているのではなく、日本が強く中国が狙っているような数値制御装置という特定部分を対象としている。ターゲットを絞るプロセスをきっちりとやっている」と語った。
重要物資の1つである半導体について。かつて日本の5割を占めていた日本企業のシェアは現在およそ1割にまで低下している。熊野さんは「90年代は日本は強大な競争力を持っていたが、世界の成り立ちが変わり、自分達の下請けですべてやれば良いという考え方から、他社や他国に分業しようという体制に日本は遅れてしまった。競争力強化が結局は自分たちを守ることになる。サプライチェーンを分散しても値段が上がってしまうダメージは回避できないので、半導体産業を育成しながら、原料の値段が上がっても産業全体が揺らがないよう高付加価値化が必要となる」などと話した。戸堂さんは「半導体に焦点を当てすぎても経済が揺らいでしまう」などとした。細川さんは「半導体は別格産業で他の産業とは戦略的に比べられない。他国でも半導体産業に大金を費やしている。この産業を日本が支援していくことは当然だ」などと話した。半導体国内生産への国の支援に関して熊野さんは「地域支援という観点ではプラスだが、これが競争力に結びつかないかもというリスクがあることにも目を光らせなければならない」などとした。若松さんは現場の企業の認識として「国内生産による特定国に依存しないサプライチェーンの再構築はメリットがある。日本企業が新たに海外進出するチャンスにもなる。グローバルサウスとの連携も今後重要になるため企業の関心も高まっている」などと話した。高市さんは「半導体不足の際、自動車の減算や医療機器の不足が起こる。この機会に国産体制を作らなければならない。また省エネにつながる高度な半導体も調達できる体制も経済安全保障上重要となる」などとした。
重要物資の1つである半導体について。かつて日本の5割を占めていた日本企業のシェアは現在およそ1割にまで低下している。熊野さんは「90年代は日本は強大な競争力を持っていたが、世界の成り立ちが変わり、自分達の下請けですべてやれば良いという考え方から、他社や他国に分業しようという体制に日本は遅れてしまった。競争力強化が結局は自分たちを守ることになる。サプライチェーンを分散しても値段が上がってしまうダメージは回避できないので、半導体産業を育成しながら、原料の値段が上がっても産業全体が揺らがないよう高付加価値化が必要となる」などと話した。戸堂さんは「半導体に焦点を当てすぎても経済が揺らいでしまう」などとした。細川さんは「半導体は別格産業で他の産業とは戦略的に比べられない。他国でも半導体産業に大金を費やしている。この産業を日本が支援していくことは当然だ」などと話した。半導体国内生産への国の支援に関して熊野さんは「地域支援という観点ではプラスだが、これが競争力に結びつかないかもというリスクがあることにも目を光らせなければならない」などとした。若松さんは現場の企業の認識として「国内生産による特定国に依存しないサプライチェーンの再構築はメリットがある。日本企業が新たに海外進出するチャンスにもなる。グローバルサウスとの連携も今後重要になるため企業の関心も高まっている」などと話した。高市さんは「半導体不足の際、自動車の減算や医療機器の不足が起こる。この機会に国産体制を作らなければならない。また省エネにつながる高度な半導体も調達できる体制も経済安全保障上重要となる」などとした。