台風が接近すると、暴風による被害の危険が高まる。最大風速25メートル、最大瞬間風速40メートル以上になると、木が倒れたり、走行中のトラックが横転したりすることがある。最大風速35メートル、最大瞬間風速50メートル以上になると、多くの木が倒れ、電柱やブロック塀も倒れるおそれがある。最大風速40メートル、最大瞬間風速60メートル以上では、古い建物が倒壊したり、鉄骨の構造物が変形したりするおそれがある。暴風が吹いている中で、屋外で行動するのは極めて危険だ。風が強まる前に、屋根や雨戸などの補修は済ませ、飛ばされたりするおそれのあるものは、早めに屋内にしまってくほしい。台風に伴う大雨も、大きな被害をもたらす。斜面が一気に崩れ落ちる崖崩れや、土砂や石が一気に下流へ押し流される土石流など、土砂災害の危険性が高まる。川の氾濫の危険性も高まる。令和元年の台風19号では、川の流域全体に降った雨が大きな川に集まり、各地で氾濫が発生した。川の下流では、雨が弱まったあとに水位が上がって、氾濫することがある。避難指示などが出ている間は、自分の判断で家に戻らないでほしい。都市部では、排水が追いつかずに行き場を失った雨水が、アンダーパスや地下街に流れ込むおそれもある。台風のたびに、水田や水路の様子を見に行って流され、亡くなる人が後を絶たない。雨や風が収まり、危険がなくなるまでは、様子を見に行くことはもちろん、無理な移動は避けてほしい。さらに、高潮や高波の危険性も高まる。高潮のときには、台風の低い気圧で海面が吸い上げられるように上昇することに加え、沖合からの強い風で大量の海水が沿岸に吹き寄せられるので、大変危険だ。高潮や高波で過去には大きな被害が出ている。危険な場所に近づかないでほしい。