死者・行方不明者5098人、明治以降最悪の台風をもたらした伊勢湾台風。記録的な勢力で上陸し、伊勢湾沿岸で高潮が発生。名古屋港では3.89mに達した。高潮は台風や発達した低気圧が接近すると気圧の差で吸い上げられるように海面が上昇。さらに沖からの強い風で大量の海水が沿岸部に吹き寄せられることで発生する。被害に遭ったのは日本で最も広い海抜ゼロメートル地帯。ここで気象庁の予測を上回る高潮が発生し、堤防を壊し海水が低い土地に流れ込んだ。さらに台風の接近が夜で停電の影響があり情報が伝わらなくなったことが住民の避難を遅らせた。この災害を契機に1962年、災害対策基本法が施行された。災害予防から復興まで総合的に制度が整備され、現在も尚国土や国民の生命、財産を守るための指針となっている。