2025年8月31日放送 10:05 - 10:50 NHK総合

明日をまもるナビ
(167)100年の災害から学ぶ防災

出演者
寺門亜衣子 いとうせいこう 井上咲楽 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像が流れた。

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東京放送局
(明日をまもるナビ)
100年の災害から学ぶ 防災

100年の災害から学ぶ防災について。1964年に起きた新潟地震は最大震度5を観測した地震で、地盤の液状化による被害が相次いだ。この地震で液状化現象が注目され、対策が進められるようになった。この地震をきっかけに地震保険に関する法律が施行された。矢守克也は「災害から学び新しい仕組みを作り社会が変わっていくが、地球規模の気候変動に伴う災害の進化も起きている。」などと話した。

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京都大学防災研究所伊勢湾台風新潟地震東京オリンピック東京都栃木県
1959年 伊勢湾台風

死者・行方不明者5098人、明治以降最悪の台風をもたらした伊勢湾台風。記録的な勢力で上陸し、伊勢湾沿岸で高潮が発生。名古屋港では3.89mに達した。高潮は台風や発達した低気圧が接近すると気圧の差で吸い上げられるように海面が上昇。さらに沖からの強い風で大量の海水が沿岸部に吹き寄せられることで発生する。被害に遭ったのは日本で最も広い海抜ゼロメートル地帯。ここで気象庁の予測を上回る高潮が発生し、堤防を壊し海水が低い土地に流れ込んだ。さらに台風の接近が夜で停電の影響があり情報が伝わらなくなったことが住民の避難を遅らせた。この災害を契機に1962年、災害対策基本法が施行された。災害予防から復興まで総合的に制度が整備され、現在も尚国土や国民の生命、財産を守るための指針となっている。

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伊勢湾伊勢湾台風名古屋市名古屋港気象庁災害対策基本法

戦後最大の台風被害をもたらした1959年の伊勢湾台風。これを受け、防災の日(9月1日)や災害対策基本法が制定された。全国で災害対策が大きく進み、自然災害による死者数も激減。

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フィリピン令和7年版防災白書伊勢湾台風内閣府災害対策基本法防災の日

戦後最大の台風被害をもたらした1959年の伊勢湾台風。このころの技術で台風の接近が判明するのは24時間前。細かな予測も困難だった。転機は1965年、「富士山レーダー」の観測が始まったこと。当時として世界一標高の高い場所に置かれた気象レーダーで、遠くまで雲の様子を観測できるようになった。これらの施策は行政側の防災対策であり、阪神・淡路大震災が起こるまでは民間まで浸透しなかった。

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1995年 阪神・淡路大震災

95年の阪神・淡路大震災。マグニチュード7.3、死者6434人、住宅被害は63万9686棟、火災被害は7574棟。この震災以降、防災のあり方が大きく転換。人々が過酷な避難生活を強いられたことで、「ライフライン」という言葉が浸透。発災直後は物資不足が深刻で、被災者自ら物資を集めて分け合う様子もみられた。専門家は「公の力だけに頼る防災体制から 民が頑張る体制に転換した災害」と指摘する。

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あのとき、ここで、なにが - 災害記録マップ中央区(兵庫)小松左京日本放送協会日本沈没淡路島自衛隊阪神・淡路大震災
2000年 有珠山噴火

00年3月31日、北海道で起きた有珠山噴火。850棟が倒壊も、住民は事前に避難していたため犠牲者なし。有珠山では噴火4日前から火山性地震が急増。大学教授や国が避難を呼びかけた、1万6000人がスムーズに避難。12年前には十勝岳で噴火が起きており、その時に作られたハザードマップが役立った。有珠山噴火以降、ハザードマップが新たに作られすべての過程に配られた。住民向け防災講座も開催。

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2000年(平成12年) 有珠山噴火災害北海道北海道大学十勝岳壮瞥町役場旭川地方気象台有珠山気象庁虻田町役場

00年の有珠山噴火。当時ハザードマップが普及していなかったのは、災害リスクを周知することで観光客減少や住民の移住などが危惧されたため。この件をきっかけに「災害リスクをオープンにして皆で備えましょう」という風潮に。北海道大学の岡田弘教授は「減災の正四面体」を提唱。住民、マスメディア、科学者、行政が一体となり減災を目指すもので、特に住民の活動や意識が大事という。有珠山噴火以後に作られたハザードマップは住民の協力を得て作られ、以降各地で様々な災害を想定したハザードマップが作られるようになった。

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100年の災害から学ぶ 防災

ことし3月、南海トラフ巨大地震の新被害想定が公表された。最悪の場合、死者は29万8000人にのぼるとされている。2010年以降に起きた5つの災害をヒントに、災害への備えを考えていく。東日本大震災では、マグニチュード9.0の地震と大津波で、死者・行方不明者は2万2000人以上にのぼった。矢守は、地震や津波の規模、犠牲者の数、何もかも想定外だった、これからの災害を考えるうえでベースにしなければならない災害だなどと話した。2018年の西日本豪雨と2019年の台風19号では、記録的な大雨で河川の氾濫や土砂災害が発生した。矢守は、2つの災害で共通して言われたのが「観測史上1位」という言葉、雨の降り方や気温の上がり方、いまだかつてないのオンパレード、災害被害が出やすくなるなどと話した。熊本地震では、熊本県と大分県にかけて、震度7を2回観測した。能登半島地震では、発災の数年前から震度6弱以上の地震が毎年続いているなか、去年元日に震度7を観測する地震が起きた。矢守は、2つの地震には、被害の出方に共通点があり、犠牲者全体に占める災害関連死の割合が5割以上にのぼる、熊本地震は8割を超えているなどと話した。5つの災害を通して、矢守は、社会の弱点を災害はピンポイントで襲ってくる、過疎・過密地域では注意が必要だ、複数の災害が続けて起こったり、ひとつの災害が別の災害のトリガーになったりする、そうした複合災害にも注意が必要だなどと話した。いとうは、災害時の情報について、公の役割が重要になる、人々が「この情報だけは信じられる」と思えるように、公が日頃からアピールしたほうがいいなどと話した。南海トラフ巨大地震では、津波による死者数は、早期避難意識が低い場合約21万5000人で、全員が発災後10分で避難を開始した場合は約7.3万人に減ると試算されている。矢守は、想定内の対策をしっかりやることが重要だ、これまでの災害を学びにして、想定内を繰り返さないことが重要であると同時に、想定外に対するイマジネーションをふくらませることも重要だなどと話した。

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