かつて日本も大国の思惑で領土を失った過去がある。千島列島の最北にある占守島ではおとといロシアの戦勝記念施設開設式典が行われた。日本が樺太全島を放棄する代わりにロシアから千島列島を譲り受けたが、1945年8月9日ソ連が条約を無視し日本に宣戦布告し参戦を果たし、終戦3日後に占守島へ攻撃を開始した歴史がある。1998年の映像では地下壕跡や飛行場の跡地なども確認できた。日本軍の約600人がこの島で死傷した。対日参戦についてロシア・プーチン大統領はおととい「連合国の義務を完全に果たした」「ヤルタ協定に従っただけだ」と語った。ヤルタ協定は1945年2月に連合国のイギリス・アメリカ・ソ連の首脳が結んだ。1941年・日ソ中立条約を無視してソ連が参戦するための条件を秘密裏に整え、占守島はロシアのものになると事前に協議されていた。戦後の国際秩序は大国が決定し、日本を含む他の国々は蚊帳の外だった。拓殖大学・名越・客員教授は「ウクライナ情勢は新ヤルタ主義とも言えるのではないか」と指摘する。トランプ氏はプーチン寄りと伝えられているため、ロシアに有利に交渉が進む懸念がある。
