ことしのアカデミー賞では、「ゴジラ-1.0」がアジア圏の作品としては初めて視覚効果賞を受賞した。そんな中、CGの黎明期といえる38年前に、日本で初めて自主制作で作られたとされるCGアニメ「INTO THE BLUE」が公開されることになった。砂漠を飛ぶ2機のプロペラ飛行機が大海原に向かい最後は誰かの夢だったことが暗示される1分44秒の作品。制作したのは、当時東北大学の理系の学生だった3人。作画を担当した森健一さんは、作画のためのプログラムを一から書き上げたという。友人たちから借りた5台のパソコンを3週間動かし続けて900枚のCGを作り、それを8ミリフィルムのカメラでコマ撮りしてアニメ作品に仕上げた。作品は国際的な映像コンテストで、米国やフランスの作品と並んで技術賞を受賞し、高く評価された。この作品を見て衝撃を受けた鎌田優さんは、ストーリー性のある自主作品CGアニメのコンテストの設立を決意した。ここを舞台に新海誠監督など多くのアニメ監督が誕生し、クリエーターのすそ野を広げてきた。「INTO THE BLUE」は、近日中に鎌田さんが運営してきたCGアニメコンテストの歴代入選作品を紹介するWEBサイトで公開される予定。