兵庫県立「人と自然の博物館」では、県内で発掘された恐竜などの化石が展示されている。2006年に発見された「丹波竜」こと「タンバティタニスアミキティアエ」の化石も展示されている。こうした化石を岩石から削り出す作業を行うのが「恐竜ラボ」で、岩石をハンマーで叩き割る作業や、化石の周りの細かい岩石を取り除くクリーニング作業が行われている。クリーニング技師のリーダー・和田和美さんは、2008年からクリーニング技師として技術を磨いている。それまで長く勤務していたメーカーを定年退職した後に、この仕事に就いたという。1億1000万年前の地層から見つかったカエルの化石は和田さんの精緻な技術で全身を綺麗に削り出され、和田さんの名前をとりヒョウゴバトラクス・ワダイと名付けられた。和田式エアースクライブは、小型化して顕微鏡の下でも繊細な作業ができるようになった。この道具の開発について論文にまとめ、誰でも再現できるようにした。