東京・品川区役所では先月、職員の名札が変わった。顔写真とフルネームを載せるのをやめて名字だけに。こうした動きは全国の自治体で広まっている。顧客が理不尽な要求や言動を突き付ける行為、カスタマーハラスメント。サービス業などの労働組合で作るUAゼンセンがことし組合員を対象に行った調査によると4割以上の企業でカスハラ対策が何もされていない。中小企業を対象に損害保険会社が販売するカスハラ保険。専門の窓口では弁護士に直接相談することができ、弁護士費用も補償。加入する中小企業は年々増え、2年間で2倍以上。カスハラを巡っては、先月住宅設備販売会社の従業員が取引先の会社の社長からカスハラを受けたとして企業同士で争う事例も。社会問題化するカスハラ。政治も動き始めた。品川区・森澤恭子区長は「カスタマーハラスメントは難しい。特に自治体におけるハラスメントをどこに線引きするかは難しい。ルール化されると少し対応がしやすくなるとは思う」と話した。