一直線に伸びる建設途中の幹線道路の先に行く手を阻むように建ち並んでいたのは無数のお墓。事業開始から18年経った今も道路が開通しない理由がお墓にあるという。この道路は東京と埼玉をつなぐ予定で、問題となっているのは約2kmにわたる工事区間。当初は平成25年までの計画だったが繰り返し延長され、完成予定は4年後となっている。墓を管理するのは500年以上の歴史を持つ日蓮宗善行院。寺の住職は「東京都が移転を求めているのは道路計画に掛かっている部分だけ。約200基のうち70基が移転の対象外なんです」と話した。道路計画に入っていない部分にあるお墓は移転の補償対象外。寺が分断されてしまうことから立ち退きに踏み切れないという。東京都の担当部署によると、全線開通のめどは立っていない。地元住民の要請を受け、部分的な開通を検討しているという。