東南アジアの主要国のことし4月から6月までのGDP=国内総生産は、いずれの国もプラス成長となったが、金融引き締めの長期化が消費の低迷につながっている国もあり、景気の先行きには懸念が出ている。このうちマレーシアのことし4月から6月までのGDPの伸び率は、去年の同じ時期と比べてプラス5.9%となった。伸び率は前の3か月より拡大し、米国向けの半導体など電子部品の輸出が好調で製造業が伸びた。タイは、外国人旅行者数の回復でホテルの利用や飲食店での消費が拡大していることからプラス2.3%となった。ベトナムがプラス6.9%、フィリピンがプラス6.3%と、いずれもプラス成長となった。ただ、東南アジア各国の中央銀行は、米国でインフレを抑え込むための金融引き締めが長期化する中、通貨安を防ぐために政策金利を高い水準で維持し続けている。このためタイやインドネシアでは、自動車ローンの金利が高止まりして、新車の販売が大きく落ち込んでいるほか、フィリピンでは、物価上昇の中で個人消費が伸び悩むなど、景気の先行きには懸念も出ている。