秋田市に配送拠点を置く運送会社では140人のドライバーが県内外に食料品などを運んでいる。ドライバーの1人、佐々木さんの1日に密着。午前6時に食料品を積んで出発。この日は県内の飲食店や福祉施設など36か所を回る。1軒目に到着すると下ろした荷物を自ら建物の中に入れ、一つひとつ数があっているか確認する検品作業を段ボール3箱分行った。届けたあとのこうした作業はこの日回る36か所中20か所で予定されている。ある配送先では鍵がかかっており、電話をかけて開けてもらうというロスも。午前11時過ぎに22軒目の配送先に到着。荷物を店の奥に運び、さらに奥にある冷凍庫まで運びいれる。こうした運転以外の作業、荷物を積み下ろす際の待ち時間、荷物の運び入れ、仕分け・検品。全国のトラックドライバーを対象にした国の調査では、運転以外の作業が労働時間の3割を占め、長時間労働の原因の一つとされている。これらは誰が担当するか曖昧なまま商慣習としてドライバーが長年行ってきた。佐々木さんが配送を終えて会社に戻ったのは午後5時。この日の運転以外の作業は4時間30分で、時間外労働は約4時間発生した。会社では運転以外の作業を見直し、時間外労働の削減につなげられないか関係先と協議を続けている。