交通インフラや都市開発の海外展開を支援する官民ファンド「JOIN(海外交通都市開発事業支援機構)」は、ことし3月までの1年間の決算で799億円の損失を計上した。ミャンマーでの都市開発事業が軍のクーデターの影響で中断したことや、米国テキサス州での高速鉄道事業で債権改修の見通しが不確実になっていることが要因。これまでに計上した分を含めたことし3月時点での累計の損失額は954億円に上る。これについて斉藤大臣は「多額の損失計上にいたった事実を重く受け止めている。有識者委員会を設置してJOINの役割、あり方、経営改善策などの検証を検討してもらうことにした」と述べた。国土交通省によると有識者委員会の結果が出るまでは新たに出資や融資を行う計画を見合わせるという。JOINはこれまでに政府が2700億円を出資していて、改めて官民ファンドの採算性が問われる事態となっている。