羽田空港の国際線を増便するのを目的に4年前から都心の上空を旅客機が通過する新たな飛行ルートの運用が始まった。しかし周辺住民から騒音などの苦情が上がったことを受けて、国土交通省は専門家による検討会を設置し、代替ルートの導入やそれに伴って必要となるGPSを活用した新たな飛行方式について検討を進めてきた。検討会はきょう、2年4か月ぶりに会議を開いたが、代替ルートの導入に関する結論は先送りになった。会議の中でGPSを活用した新たな飛行方式について技術的な安全性は確認された一方、ことし1月に羽田空港で起きた航空機の衝突事故を踏まえ、現時点での大きなシステム変更はリスクにつながるなどと判断したという。検討会は来年改めて開催される予定で代替ルートの導入が可能かどうか議論を続けていくとしている。